現代資本主義が主導するDX化で逆行する地域活性
Next資本主義のあるべき姿とは

現在、一国の経済を大きく動かす大企業が電子決済を展開し、世界中で決済の電子化が進んでいます。

実際に日本でも、主要都市では電子決済を行える店舗や施設が増えました。そのため、電子決済の経済圏に加盟するチェーン店や店舗の売り上げは、その経済圏の中だけで巡ることになりました。つまり、限られた人々の資本のみが潤い、経済圏に加盟できていない地方の店舗や施設に還元されることなく、消費が滞ってしまうような流れが出来つつあると言えるでしょう。
このまま現代資本主義が主導するDX化を続けたとしても、地方創生につなげることはなかなか難しいのが、いまの状況なのです。

しかし、これは問題の一部にすぎません。このほかにも、現代資本主義が主導するDX化によるユーザーのデータ活用や、傾向・行動分析が行われることで、お店はターゲットを絞ったプロモーション戦略を立てることができ、お店の売上に大きく貢献することができるのです。一方で、このような経済圏から外れたお店は、データにアクセスできないため、それだけで大きな不利益を被ることになります。その結果、既存の電子決済経済圏の中では、地方の店舗が生き残っていくことがさらに難しくなる構図が待ち受けています。

利益を第一とする、これまでの資本主義の仕組みは、確かに私たちの生活を豊かに、便利な物にしてくれました。しかし、地域社会の持続的な発展や、地球環境を豊かにするためには従来通りのやり方ではなく、新たな仕組みが必要になるでしょう。

地域通貨とは

地域経済活性化のためには、地域通貨の導入は必要不可欠です。

地域通貨とは、その名の通り、特定の地域内(市町村など)、あるいはコミュニティ(商店街、町内会、NPO)において流通する貨幣を指します。地域通貨は、利益重視の電子決済とは反対に、地域社会への貢献が優先されます。そのため、地域通貨は人と人のつながりを深める「コミュニケーションプラットフォーム」として力を発揮します。大和総研の調査によると、地域通貨には地域内の消費促進や、資金の円滑な循環を実現し、地域経済・コミュニティの活性化を推し進める役割が期待されています。
*日本で使われている主要地域通貨は図1をご参照ください。
*大和総研の調査「地域通貨は地域金融システムに何をもたらすか」

図1 日本で使われている主要地域通貨

これまでの利益追求型ビジネスを模範にせず、経済を活性化させながら、社会課題解決にも貢献する、社会全体が繁栄できる新たなエコシステム“Sustainable eco Society” を実現することーーそれが、私たちFreewill, Inc. が掲げるミッションです。

そのミッションを達成した先にあるのは、経済資源が地域社会に十分に行き渡り、人々が互いに絆を築くことができる持続可能な未来です。

そこで、私たちFreewillは、新たな地域通貨システムを取り入れたDX化を提案します。

新たな地域通貨システム

地域通貨と、Sustainable eco Societyの世界観を統合させることで、地域経済を活性化させる

Freewillでは、地域通貨と連携することで、社会的・環境的インパクトを生み出すことができる新たなエコシステムとして、Sustainable eco Societyを実現するためのサービスを提供しています。

サービスは現在、ストーリー型クラウドファンディン「SPIN」、エシカルECサイト「tells market」、そして、誰もが世界に善き行いを発信できるメディア「Vibes.media」の3つと、2021年秋にリリース予定のtells marketで4つになります。これらのサービスは、AIやブロックチェーン、5Gなどの最先端テクノロジーにより、ビジネスを行うのと同時に、「森の苗木」が増える仕組みとなっています。

図2 Sustainable eco Societyの世界

これらのサービス内でお金を消費すると、消費額の1%がコイン(Sustainable eco Coin、以下、SeCコイン)として還元されます。SeCコインは、毎月20%が失効されていきますが、失効分は自動的に「森の苗木」として、環境保全のために活動しているNPOやNGO等の活動のために使用されます。そのため、無意識のうちに地球環境保全に参加することが可能となります。

この仕組みは地域通貨にもつなげるすることが可能であり、それによって3つの利点をもたらします。

1 地域通貨を使うだけで地域環境の保全に貢献

地域発行の地域通貨を導入しているお店で商品を購入すると、地域通貨として1%分が還元されます。ユーザーが得た地域通貨は、地域内の他の加盟店で消費することによって地域に還元することができます。また、上記にあったように、地域通貨は失効しても自動的に地域環境の保全に利用されるため、消費者は無意識のうちに地域の環境保全事業に貢献できる仕組みとなっています。この仕組みを通し、地域通貨だけではなく、期限の切れた地域通貨でさえも地域貢献に利用することができます。

2 地域通貨の利用履歴を追跡できる、トレーサビリティ(透明性)を確保

ブロックチェーンが導入されているため、どの店舗で誰がどんな商品を買ったのか等、すべて追跡することが可能です。さらに、失効した通貨が「森の苗木」として、どんな団体が、何のために活用したのかも、すべて見える化されます。お金の流れに透明性が生まれ、地域内の信用が担保されるのです。

3 地域通貨による地域還元

地域通貨が大規模に運用されることで、地域への還元率も比例して大きくなります。 例えば、自然エネルギーを提供する電力会社が、電気代の1%分を地域通貨として消費者に還元することによって、消費者は自然エネルギーを使うインセンティブを得られます。自然エネルギーの利用者数が増えることによって、環境への配慮も進みます。他にも、地方の電力会社に限らず、地域密着のスポーツチームや、地域産品の購入で地域通貨の運用が可能となります。

これらの3つの理由から、Sustainable eco Societyの世界観を反映させた地域通貨は、地域経済を活性化させることができます。

DXによる地域ツーリズムへの誘導

私たちが提供するサービスにMEO(マップ検索エンジン最適化)を導入し、ユーザーの行動パターンの分析や、ユーザーの興味に合わせた品物や体験・観光を勧めることができます。マップ上でお勧め情報を得られることで、他の地域からの観光客の誘導もできます。 この仕組みを通して、1つの地域だけではなく、全国に地域ファンを増やすことができると考えます。

図3 DXによる地域ツーリズムに人を誘導

Sustainable eco Societyの経済圏を地域のために活用できる

特定の地域でも利用でき、利用期限のある地域通貨を運用することで、地域内の消費と経済循環を促進することができます。

もし特定の地域外にいたとしても、SPINやtells marketなど、Freewillが提供するサービスで、地域貢献に関連するプロジェクトの支援や、品物の購入のために、地域通貨を利用することができます。
つまり、無意識に地方にお金が流れる仕組みができあがります。

例えば、tells marketで、北海道の地域通貨を導入しているお店の商品を購入したとします。すると、その商品の1%分がSeCコインとして還元されると同時に、北海道の地域通貨も還元されます。この仕組みによって、SeCコインと地域通貨の2つの経済圏において、それぞれの地域で暮らす人々がつながり合い、さらに、利用者を他の地方経済に誘導することもできるのです。

図4 地域通貨とSustainable eco Societyの連動

2050年、共存共栄でつながり合う世界へ

上述の3点は、これまでの利益追求型を採用せずに経済を活性化させ、さらに、社会課題にも貢献できる新たなエコシステムであり、Next資本主義の形です。
それぞれの地域には、それぞれの特徴があるため、そう簡単に物事は進まないかもしれません。
地方電力や、力のある民間企業、そしてスポーツチームなどが中心となって行政と共にこうした事業を進めることができれば、地方のみならず、日本全体の創生につながると私たちは信じています。

人類社会の豊かな生活と地球環境の共存共栄を可能にする仕組み、
「Profit(利益)」から「Benefit(恩恵)とProsperity(全体の繁栄)」重視へ――
それこそが、私たちが目指す「Sustainable eco Society」なのです。